お知らせ
news
ホエールタウンおしか > 最新情報 > お知らせ > 牡鹿半島釣行記 ~鮎川編~

牡鹿半島釣行記 ~鮎川編~

牡鹿半島と釣り人たち

牡鹿半島は多くの釣り人が集まる場所。牡鹿半島ビジターセンターから望む鮎川港でも、常に釣り竿を持つ人の姿が見られます。訪れる人の中には金華山へ渡航してイベントを開催するプロの釣り師もいるほどの人気スポットです。


一方で、観光客の方も牡鹿半島での釣りに興味があるようで、釣り具の貸し出しや餌の販売の問合せが多く寄せられています。
気軽に釣りを体験できる環境を整え、多くの人に牡鹿半島の自然に触れ、楽しんでほしい。そんな思いから、私たちは鮎川港でどのような魚を釣ることができるのかを探ってみることにしました。

釣りと水戸さん

一月某日、牡鹿半島ビジターセンターのスタッフ2名は鮎川港へと向かいました。一般的に冬季は水温が低いため、魚があまり餌を食べず、釣れにくいそう。初心者だけでは不安が残るため、鮎川港での釣りに詳しい水戸和哉さんに協力を仰ぐことになりました。


水戸さんは鮎川出身の鮎川育ちで、釣り歴25年、人生の7割以上を釣りに捧げる大ベテラン。漁師であるおじいさんから釣りを教えてもらったことをきっかけに、釣りに夢中になりました。バス釣りや全国各地の船釣りを経験し、果てはマグロ釣りにも挑戦したそうです。夏には仕事が始まる前の深夜から釣りをするのが日課で、趣味である釣りのために、自分の生活リズムを決めているといっても過言ではないほどの釣り好きです。
私たちは水戸さんから借りたロッド(釣竿)で釣りはじめることにしました。

その日は一面に青空が広がり、風も穏やか。しかし冷たい空気が肌を刺します。体の芯まで冷える感覚に耐えながら、寒空の下で魚のあたりを待ちました。
ふと横を見ると、場所を変えながら仕掛けを投げている水戸さんの姿が目に入りました。不思議に思って理由を尋ねてみると、魚が潜んでいそうなポイントに的確にルアーを投げ込むために移動しているとのこと。
さらに、ただ巻き(※着水したルアーをただ巻き取ること)だけで釣れる日もあれば、リフト&フォール(※着底させたルアーを上下に動かすこと)によってやっと魚が食いつく日もあると教えてくれました。一度釣り糸を垂らしたら、魚が食いつくまでじっと待つものだと思っていましたが、実際はその場で待っているように見えても、ロッドは絶えず動かしたままだそうです。

水戸さんは、狙った魚を釣るために最適なルアーを選び、繊細な動きによっていかに魚を騙すかが楽しいのだと言います。まるでゲームを攻略しているようで、その面白さが伝わってきました。

釣果のほどは……

水戸さんから釣りの専門用語やコツを教えてもらいながら数時間粘ってみましたが、釣れた魚は水戸さんが釣ったアナハゼとアイナメがそれぞれ2匹ずつ。私たちは釣れませんでした。


ただ、この日は釣りの方法を教わっただけではなく、魚が釣れるに至るまでの試行錯誤が釣りの楽しみだということを知ることができました。海の状況と目には見えない海中で魚がいる場所を探り、釣りたい魚に合わせた道具を選び、さらに魚を引き寄せる手腕を発揮した末に、魚との駆け引きの結果が「釣果」として現れる。

魚を釣ることができなかったのは残念ですが、それ以上に得たものは多く、この楽しさをたくさんの人に知ってほしいという気持ちがますます強くなりました。
気軽に釣りをできる環境ができた際には、ぜひ鮎川港で釣りにチャレンジしてみてください。そして、釣りを通して牡鹿半島に触れ、自然の中での遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。